HISTORY岩野物産110年の歴史

岩野物産110年の歴史

大正2年に当時新素材のゴムに着目し東京・京橋で創業

1913年(大正2年)2月12日、当社創業者である岩野士朗(写真右から2人目)は、銀座の隣、東京都中央区京橋3丁目にて岩野商店として事業を開始しました。千葉県鋸山で石材の販売を営む岩野家出身の士朗は、当時の日本ではあまり流通していない新素材であったゴムに商機を見出し、タイヤ及びその他の合成ゴム関連製品メーカーであるUSラバー社(現在はフランスのミシュラン社に統合)の日本総代理店として、各種ゴムホースやコンベヤベルトの輸入販売から事業をスタートアップ、その後、複数の国内メーカーからもゴム製品の仕入販売事業を拡大していきました。
戦時中は物価統制令に基づき、商工省からゴム製品の関東甲信越地区の配給業務を任され、戦後はメイン商材として、主に下水道の普及されていない地域のし尿汲み取りに活躍する衛生車(バキュームカー)に搭載されるホースの販売を担っていました。

(創業当時の公告)

(創業の地である京橋3丁目)

(バキュームカーのホース)

建設業界における事業の発展が今日の当社の礎に

1953年(昭和28年)、建設会社出身の岩野立が4代目社長に就任すると、戦後の復興と東京オリンピックに向けた高度経済成長の波の中で建設業が活気づくタイミングを好機と見て、現在までお取引が継続している建設会社の現場に対し、当社が強みを持つゴム製品を中心として積極的な営業活動を展開し、各社とのお取引の基礎が築かれました。
事例としては、1950年代には日本を代表するダムの一つである黒部ダム(富山県)、1970年から国際化のための羽田空港拡張工事、1980年代には神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアラインのトンネル部工事、1990年代には「地下神殿」とも呼ばれる首都圏外郭放水路の建設工事など、我が国を代表するインフラ整備をサポートしてきました。また1989年(平成元年)の昭和天皇ご崩御による大喪の礼式典においては、会場の造営において一役を担いました。海外においても、ODA(政府開発援助)の一環として、香港・シンガポール・台湾の地下鉄建設工事や発展途上国の井戸掘削事業にも携わりました。

(当時の慰安旅行の様子)

(創業60年式典時の新聞)

(羽田空港滑走路)

社会情勢の変化に対応する会社運営

1990年~2000年代は、バブル崩壊とリーマンショックという2つの大きな社会情勢の変化があり、当社とかかわりの深い建設業界においても、建設会社の倒産が相次ぐなど、厳しい時代でした。当社は創業以来、好不況にかかわらず、①製造業・建設業というものづくりにかかわる数多くのお客様に対して幅広い商品群の取り扱いを進めること、②本業とかかわりの希薄な事業にむやみやたらと投資・拡大することなくメイン事業に専念することの2つを意識して会社運営を継続してきました。また、与信管理の観点でも、管理部門にて年に2回全てのお客様について1社ずつ販売条件を設定、それを営業部門が遵守することで、厳しい時代においても赤字になることなく、安定経営を継続できました。

(首都圏外郭放水路)

(台北地下鉄MRT)

(首都高横浜環状線シールドトンネル)

中山社長入社時の業務内容

私は2007年に当社に入社しまして、約4年間現場でひとりの営業担当として営業活動に従事しました。参考までに私自身が当時担当した中で特に印象に残っている、横浜市磯子区にある下水処理施設の築造工事の案件についてお話します。先輩の営業社員の手助けを得ながらも、できる限り自分自身でお客様と打ち合わせし、工事管理も工事の初めから終わりまで務めた現場です。駆け出しでわからないことばかりで、ミスをしてお客様に叱咤されることもありましたが、社内メンバーと協力業者様の助けもあり、最終的には現場から表彰を受けることもでき、大きな達成感がありました。一つ一つの仕事に真摯に迅速に向き合うことで、お客様との距離も縮まり、深くお付き合いいただける方も増えるだけでなく、お客様が他の現場に異動されてからも私宛にご連絡いただき、お問い合わせをいただけるケースもありました。私自身営業の醍醐味を感じるとともに、当社の長年の歴史の中で、在籍する社員一人一人によってお客様と信頼関係が構築されてきた積み重ねが、今日の当社を形作っていると実感したのです。
 

最新の活動と取組

2010年代以降は当社にとっても激動の時代となりました。2011年3月11日に発生した東日本大震災により、当社の仙台営業所(現仙台支店)も被災しました。地震と津波、それに起因して発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の影響は甚大であり、震災以前から50年の長きに渡り、東北地方のインフラ整備に寄与してきた当社としても、多方面で震災復興をサポートさせていただいております。その他、首都圏では鉄道工事・高速道路工事・都市再開発工事、地方部においては太陽光発電・風力発電等の再生可能エネルギー関係工事に至るまで多岐にわたる現場における活動を進めております。
なお私自身、2015年より代表取締役に就任し、営業活動だけでなく、当社社員がより前向きに業務に邁進できるような環境づくりにも取り組んでまいりました。具体的には、教育/研修制度の整備、人事制度改革及び社内DX化の推進により、会社、社員及びその家族、お取引先様(お客様・協力会社様)の三方良し!を目指しています。まだまだ道半ばの改革ではありますが、一つ一つ業務改善や職場環境改善につながることを積極的に進めてまいります。
 

 
 
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